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2017年8月 4日 (金)

先人と大和魂

日本民族固有の精神として強調された観念。和魂,大和心,日本精神と同義。日本人の対外意識の一面を示すもので,古くは中国に対し,近代以降は西洋に対して主張された。平安時代には,和魂漢才という語にみるように,日本人の実生活から遊離した漢才(からざえ),すなわち漢学上の知識や才能に対して,日本人独自の思考ないし行動の仕方をさすのに用いられた。江戸時代に入り,国学者本居宣長は儒者の漢学崇拝に対抗して和魂を訪ね,「敷島のやまとごころを人問はば朝日に匂ふ山桜花」と詠んで,日本的美意識と,中華思想に対する日本文化自立の心意気をうたいあげた。幕末にいたり,対外危機の深まるなかで,佐久間象山,橋本左内らによって「西洋芸術」に対比された「東洋道徳」の思想内容は大和魂であり,吉田松陰の詠んだ「かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂」は,尊皇攘夷の行動精神を熱情的に吐露したものとして有名である(→攘夷論)。明治天皇制国家のもとでは,大和魂はナショナリズムの中核的要素として重視され,内容的にも芳賀矢一らによって天皇への忠誠,国家と自然への愛として強調され,さらに新渡戸稲造によって武士道の国民的規模への展開として説かれた。その後は日本民族の発展のための対外拡張を美化する精神的支柱としての色彩を濃くし,昭和の戦時には軍人の士気高揚のスローガンとして用いられた。 ◇現今のマスコミ文化に染色された日本民はいよいよ大和魂から遠ざかっている……のではないか。

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